写真=拡大読書機(左)を配置した机で金賞のメダルを手にする清水さん
障害のある人が職場などで培った技能を競う「第35回全国障害者技能競技大会(アビリンピック)」が21~23日、名古屋市で開かれ、本県代表として出場した上越市職員、清水晃さん(40)が視覚障害者のパソコン操作種目で最高賞の金賞に輝いた。清水さんは視覚障害者としては、県内自治体で初めて新規採用された職員で、「サポートしてくれた多くの方々に感謝したい」と話している。
清水さんは網膜色素変性症という病気で、20代で症状が現れた。視野は目の中心から左右5度程度と狭く、見える部分も視力0・2程度。症状が現れた後、民間企業での勤務も経験し、国立職業リハビリセンターで1年半訓練を受け、昨年4月に上越市に採用された。普段は白杖などを使って歩き電車で通勤し、職場ではパソコン画面の読み上げソフトや拡大読書機を活用。現在、自治・地域振興課で地域協議会関係の業務をこなしている。
アビリンピックには本県代表として初めて出場した。パソコン操作種目は、表計算ソフトのエクセルによるデータ処理やインターネット検索をする。入退室管理記録表の作成、市場の需要や来場者予測の計算、貸借対照表、損益計算書の損益分岐計算、売上高と費用の予測グラフ作成など本格的な内容で、読み上げソフトなどを活用しながら100分でこれらの課題に取り組む。清水さんは、参加者12人の中で最高得点で見事金賞に輝いた。
清水さんは「今回の金賞は職場の理解とバックアップのおかげで、市役所全体でサポートしてもらった結果だと思う。さまざまな方のサポートがなければ賞は取れなかった。働きやすい職場で本当に感謝している」と話している。