Quantcast
Channel: 新着情報 | 市民新聞 上越よみうり
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1538

鯉食べて「伝統文化」を継承 青野池で恒例の「池引き」

$
0
0

20151025池引きで鯉食べる.jpg

写真=青野の周辺4町内会の住民は、池の水を抜いて上がった鯉を捕獲した

 上越市青野の周辺4町内会の住民約40人は25日、地元の青野池で池の水を抜く恒例の「池引き」を行った。今年5月には7年ぶりとなるコイの稚魚の放流を行っており、住民は池に上がったコイを食べるなどして、地元文化を継承した。
 農業用水のため池として、400年以上前から地元住民に愛されてきた同池。全周2キロの大きさに約58万トンの水を貯めることができ、現在も約120ヘクタールの水田に水を送っている。2010年には、その長い歴史と地域農業の一旦を担っていることから、農水省の「ため池百選」に選定されている。
 池引きは、池の底に溜まったヘドロを池の水と共に排水するために行われる。同市青野には昔からコイを食べる文化があることから、池引きの際には、その年に放流し、成長したコイを食べるのが伝統となっている。
 だが、同池は09年から今年8月まで、堤防の設置工事が行われたため、同4町内会は6年間、コイの放流を見送ってきた。今回は実に7年ぶりのコイの捕獲となった。
 住民はたもや自作の網を手に、長靴と軍手姿で同池に登場。18日から少しずつ水を抜いてきた同池で元気に泳ぐコイを、網や手で次々と捕まえていった。住民は跳ねるコイを見て「威勢がいいなー」「どうやって食べるかな」などと談笑し、親睦を深めていった。最後は水を抜いて上がったコイも含め、放流した150匹のうち、約120匹を捕獲した。
 その後、住民は各自、捕まえたコイを自宅へ持ち帰り、コイこくや旨煮にして食べた。
 下青野町内会の渡辺隆雄会長(70)は「池引きをして、上がったコイを食べる地域は珍しいと思う。来年以降も続けていきたい」と話していた。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1538

Trending Articles