写真=長年かけて建設した学校について「12日の余震で倒壊した」と説明する藤野さん
ネパール山岳地域での学校建設などに長年取り組んできた上越市南本町2の写真家、藤野正二さん(75)による「ネパールアシスト35年報告展」が今日14日から、同市立高田図書館で始まる。現地は大地震に見舞われ、藤野さんの建設した学校も倒壊した。藤野さんは「ネパールについて知り、心を寄せてもらいたい」と話しており、会場に募金箱を設置し支援を呼び掛ける。報告展は17日まで。
藤野さんは、ヒマラヤ撮影をきっかけにネパールを訪れ、これまで35年にわたってネパールの教育環境整備などに取り組んできた。私財を投じての学校建設のほか、若年結婚による母子の高い死亡率を減らすための教育にも力を入れてきた。これらの功績が評価され2012年には、ソロプチミスト日本財団の社会貢献で顕著な功績のあった人に贈られる「千嘉代子賞」を受賞している。
今回の報告展は昨年から計画してきたもので、山岳地帯に建てた学校やそこで学ぶ子供たち、ネパールの人々やまちの様子などの写真を展示する。今年4月にネパールで大地震が起き、さらに5月12日の余震で建設した学校が全壊し、子供たちが建物の下敷きになったことが現地から伝えられた。
藤野さんは「現地からの連絡はとても切実で居ても立ってもいられない気持ち。私たちも震災を経験していて同じ痛みが分かる。報告展を通してネパールの人々に心を寄せてもらいたい」と話している。
会場には現地支援のための募金箱などを設置する。藤野さんは支援物資などを持って20日に現地入りする予定だという。