写真=寄贈したオブジェについて説明する敬子さん(中)
上越市寺町3の造形作家、故・鈴木六衛さんの妻、敬子さん(84)はこのほど、今秋に新校舎がしゅん工した上越高校(同市寺町3)に陶芸オブジェ「越の華・乱舞」を寄贈した。12日に除幕式が行われ、生徒玄関の白い壁に雪の結晶をモチーフにした大作が姿現した。
作品は第27回日本現代工芸展で入選した幅120センチ、高さ80センチ、厚さ10センチ、重さは30キロ近い大作。生徒玄関で行われた除幕式で、作品を寄贈した敬子さんと同校の古川泰男理事長が白布を引くと、10枚以上の陶板を貼り合わせた迫力ある作品が現れた。
敬子さんは「作者が60代後半の一番(制作に)燃えていた頃の作品。とにかく重いので、持ち上げるのを手伝った記憶がある。若い人に人気がある作品なので、生徒に喜んでいただけるのではないか」とあいさつした。
古川理事長は「白い壁に落ち着いた陶板が映え、空を見上げると雪の結晶が舞い降りてくるような躍動するイメージがある」とお礼の言葉を述べた。
寄贈は今年6月、没後5年を機に本町5のギャラリー祥で開かれた「鈴木六衛の仕事展」がきっかけ。久保田祥子オーナーが仲介役となり話が進んだ。同校美術部の生徒が作品展に訪れ、寄贈を受ける作品を決めたという。
鈴木さんは1970年に49歳で陶芸を始め、81年以降、日本現代工芸美術展に連続11回入選、89年以降は日展7回入選。パリなど海外の美術展にも出品し、精力的な作陶活動をしていたが、2009年に87歳で死去した。