写真=作品の出来を丹念に見ていく高井さん
上越市中郷区の陶芸家、高井進さん(78)が12日、自宅の工房で来年の十二支である酉をモチーフにした作品の窯出しを行った。まだほんのりと温かい陶製のニワトリを手にした高井さんは「この作品と一緒によい一年を過ごしてもらいたい」と話している。
高井さんは毎年最後の窯で来年の十二支を焼くことにしており、今回が13年目。はじめはわずかな希望者や自身のために5個程度制作していたが、希望者が増えてきたため、ここ数年は300個ほどを作っている。
今回制作したのは大中小のニワトリ360個。10日の午後11時に窯に入れ、12日の午前10時に窯出しをした。
高井さんは静かに窯の扉を開けると、整然と並んだ3種のニワトリを一つ一つ手に取って色合いや破損箇所がないか丹念に確認。赤や青で彩色された陶製の作品に話しかけるように「いい顔をしている」「かわいいね。いい色になったね」と出来を喜んだ。
十二支の制作をライフワークとする高井さんは「出来る限り続けていきたい」とし、「かわいい愛着あるデザインにし、手にした方が一年間、安心安全に過ごせるようにと気持ちを込めて制作した。ぜひお宅に置いていただき、良い一年にしてほしい」と話している。
作品は同市本町5のギャラリー祥で14〜18日まで行われる「高井進作品展」で展示販売される。
問い合わせは、高井さん0255・74・4020。