写真=実作業前の確認をする稲生さん
全国的にも従事する女性が少ないとされる溶接技能者になることを目指し、上越市藤野新田の県立上越テクノスクール短期課程溶接科の稲生彩奈さん(25・妙高市)が、27日に同校で実施される溶接の技能者評価試験に挑む。試験に向けて日々技術の向上に励んでおり、希望する鉄骨業界で活躍することが目標だ。
稲生さんは高校卒業後、塗装業や介護職に従事。だが、以前より興味があった溶接技能者になろうと退職し、今年8月から同校で学んでいる。「やってみて、魅力にはまった」と話す稲生さんは、修了となる来年1月までに「JIS溶接技能者評価試験」の基本級とされる部門の合格を目指している。
学科と実技で行われる評価試験は、溶接方法や金属の種類・厚みで細かく部門が分かれており、稲生さんが挑戦するのは「SN︱2F」という溶接作業従事者として持つべき基本となる資格の一つ。より高い難易度の資格を取得するための最初のステップだ。
県溶接協会によると、県内で溶接技能資格を持つ女性の数は圧倒的に少ないという。同校でもここ10年の溶接科修了者224人のうち、女性はわずかに2人。それだけに溶接科の清水亮総括主任指導員は「(稲生さんには)ぜひとも試験に合格し、女性として先駆け的な存在になってもらいたい」と期待する。
試験合格に向けて実技の練習に励む稲生さんは「不安が自信に変わるまで練習をしてきた。働きたい会社があるので絶対に合格し、そこで自分の技術をさらに向上させて社会に貢献したい」と意気込みを語っている。